CARIES / PERIO

虫歯・歯周病

虫歯治療

CARIES

痛みの少ない治療を目指して

歯科医師として、患者さんに痛みを与えるのはつらいものです。まして何年も通ってきてくださる患者さんを前にすると、申し訳ない気持ちでいっぱいになってきます。当院では電動麻酔注射器や、「笑気麻酔」とよばれる特殊な麻酔を使用した痛みを抑えた治療を行っています。

麻酔注射のポイントは、麻酔前の表面麻酔をしっかり効かせること。針は31G(ゲージ)以上の極細のものを使い、表面麻酔が効いている部位に、やさしく丁寧に刺します。また麻酔薬は数回に分けて少量ずつ注入していきます。針を刺したときのチクっとした痛みや薬を注入したときの不快感を軽減できます。

ここでは、いぐち歯科クリニックの痛みを抑えた治療についてご紹介します。

「笑気麻酔」を使った痛みを抑えた治療

  • 笑気ガスで5分以内にリラックス状態
  • 全身麻酔で痛みを抑えた治療
  • すぐに覚めるので体への負担がない

痛みに強い恐怖心がある、心疾患などを抱えている、という方にとって、治療中の痛みは大きなストレスです。場合によっては心身に大きな影響を与えかねません。

当院では、親知らずの抜歯やインプラントによる治療などの際、笑気吸入鎮静法を併用した、痛みを抑えた治療を行っています。笑気吸入鎮静法は、全身麻酔のひとつで強い鎮痛効果があります。

笑気ガスを吸入するとほのかに甘い香りがして、5分以内に全身がほろ酔い状態になり、リラックスしていきます。またガスの濃度を変えることで鎮静状態をコントロールすることができます。なお酸素を吸うとすぐに覚めますので、体への負担がありません。

痛みに対し強い不安をおもちの方は、遠慮せずにお申し付けください。

笑気麻酔が適している患者さん

  • 歯科治療に不安感、恐怖感、不快感をおもちの方
  • いわゆる神経質な方
  • 怖がりのお子さん、またはご高齢の方
  • これまで歯科治療中に、神経性ショック・脳貧血性発作・疼痛性ショックのあった方
  • 心疾患や高血圧など内科的慢性疾患をもち、ストレスを軽減させる必要のある方
  • 嘔吐反射の強い方

なるべく抜かない、削らない治療

  • う触探知機で削る量を最小限に抑える
  • 患者さんが治療を諦めるまでは抜歯しない

当院ではなるべく抜かない、削らない治療を心がけています。歯を削るときは、う触探知機で虫歯の大きさを調べてから、最小限の大きさに削ります。また、患者さんが治療を諦めるまでは、決して歯を抜くことはありません。

仮に、抜歯が必要な重度の虫歯でも、患者さんが歯の延命を希望されたときは、その意志を尊重し、なるべく抜かないために最大限の努力をします。

歯科治療の目的は2つあります。ひとつは虫歯や歯周病などのお口の中の病気を治し、患者さんの健康を守ること。そしてもうひとつは、食べ物を自分の歯でしっかり噛み、健康な身体を作ることです。

しかし、人間の体は不死身ではありません。年齢とともにお口の中の機能も変化していきますが、治療やメンテナンスを行うことで、衰えていく時間を少しずつ遅らせていくことは可能です。お口の中を快適体にし、充実した人生を過ごし、最後の幕を閉じられるように、一緒に努力していきましょう。

【3種抗菌薬】薬剤で虫歯を退治

当院では、なるべく必要以上に歯を削らないために3種抗菌薬という薬を使用しています。3種抗菌薬とは3種の抗生物質を混ぜた薬剤のこと。この薬剤を虫歯に塗ることで、虫歯を退治しようという画期的な方法です。

一般的な虫歯治療は、虫歯になっている部分をすべて取り除きます。しかし、3種抗菌薬では抗生物質の殺菌効果により、細菌だけを殺すことができるのです。3種抗菌薬を使えば、これまで神経を抜かなければならなかった歯でも、神経を残せる可能性があります。

マイクロスコープを使った治療

  • 肉眼では見えない部分まで確認できる
  • 精密で予後の高い治療が可能
  • 治療の幅が広がり歯が保存できる可能性が高まる

マイクロスコープは、術野を肉眼の2倍から24倍に拡大して見ることができます。これを使うことで、より正確でより精密、しかもより安全に治療が行えるようになりました。これまで根管の内部や歯周組織、歯の切削面などは、肉眼や拡大鏡を使ってもまったく見ることができませんでしたが、マイクロスコープの登場でお口の中の状態が、まさに手にとるように確認できるようになったのです。

たとえば根管治療では、マイクロスコープを使うと肉眼では見ることができない根管内部が確認でき、より繊細な処置と治療ができます。また、マイクロスコープを見ながら詰め物を入れると、詰め物が取れたり、虫歯になったりする確率が低くなり、予後が高まります。

さらに治療後、ビデオモニターに記録ができるので、患者さんに治療内容を確認していただくこともできます。

これにより、これまで抜歯を必要としていた歯でも、延命できる可能性が高まり、より精度の高い診断や治療が可能になりました。

歯周病治療

PERIODONTAL

歯周病はにおいます。エチケットとして歯周病を治療しませんか?

歯周病になると歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が深くなり、その中に歯垢が溜まって、細菌が大量に繁殖します。これらの細菌が硫化水素やメチルメルカプタンを大量に作り出し、お口のにおいを発生させます。 ちなみに、硫化水素は「腐った卵」の、メチルメルカプタンは「腐ったたまねぎ」のにおいがするといわれています。「自分の口からそんなにおいがしたら…」と思うとゾッとしますね。

歯周病がさらに進行すると、歯周ポケットで持続的に炎症が起こり、膿が常に出続けます。これが、さらに強いにおいのもととなり、周りの人に不快感を与えるにおいを発生させるのです。

「口が臭い人」なんて思われたくないですよね。だから、エチケットとして歯周病治療を始めてみませんか? 歯周病治療の基本は、徹底した歯のクリーニングです。根気がいりますが、においで悩まないためにも積極的に取り組みましょう!

歯周病は予防とメンテナンスがすべて。治療で痛い思いをする必要はありません。

  • 歯周病は重症化するほど治療が痛い?
  • 感染症だからこそ細菌を減らしましょう

歯周病が重症化すると、歯の表面の歯石除去だけではなく、歯周ポケットの中に溜まった歯石を除去することになります。歯周ポケットの浅い部分ならまだしも、深い部分は、歯ぐきを切開する歯周外科治療をしなければなりません。考えただけで痛そうですよね。もちろん麻酔はしますが、歯周病は重症化するほど治療の痛みが増え、患者さんに負担がかかるのです。

再生療法で、一時的に失われた歯周組織を取り戻すこともできますが、これでは歯周病の根本的な解決にはなりません。なぜなら、歯周病の原因が細菌感染だからです。歯垢・歯石除去は有効ではありますが、目に見えない細菌すべてを取り除くことは不可能です。だからこそ、細菌を減らすための予防とメンテナンスが重要なのです。それがしっかりできていれば、治療で痛い思いをする必要はありません。

歯周病が「感染症」であることをしっかり認識して毎日丁寧にブラッシングし、歯科医院で定期的なクリーニングを受けましょう。

歯周病の進行について

  • 健康な状態

    【症状】
    歯ぐきの色は薄いピンク色で腫れもありません。健康な状態の歯周ポケットは1~2mm程度です。
    【治療】
    3~6ヵ月に1度の定期検診を行い、歯のクリーニングでプラークコントロールをします。また、歯の専門家によるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)も効果的です。
  • 歯肉炎

    【症状】
    歯と歯ぐきの間にある溝にプラーク(歯垢)が溜まると、歯ぐきに炎症が起きます。炎症とプラークにより溝が大きくなり、歯周ポケットができます。この段階では、歯を支える歯槽骨は悪くなっていません。
    【治療】
    3ヵ月に1度の定期検診を行い、ブラッシングで改善します。歯石がついている部分は歯石を除去します。歯科衛生士が行う専門的な歯のクリーニング、PMTCも効果的です。
  • 軽度歯周炎

    【症状】
    歯周炎が始まり、歯周ポケットは3~4mm程度になります。歯周ポケット内にプラークや歯石が溜まると炎症がさらに広がり、歯ぐきの色は赤みを帯びてきます。また、歯を支える歯槽骨が溶けはじめます。
    【治療】
    ブラッシングで歯ぐきを改善します。その後、歯石がついている部分は歯石除去を行ったり、歯ぐきの中のルートプレーニングを行う場合もあります。歯科衛生士が行う専門的な歯のクリーニング、PMTCを定期的に受けてください。
  • 中等度歯肉炎

    【症状】
    炎症が進行し、歯周ポケットが4~6mm程度と深くなった状態です。歯槽骨の吸収もさらに進行し、歯を指で押すと動くようになります。ここまで進行すると、歯ぐきの腫れや出血など自覚症状が現れます。
    【治療】
    ブラッシングで歯ぐきを改善します。その後、歯石がついている部分の歯石を除去します。歯ぐきの中のルートプレーニング行うときは麻酔をして行います。重症の場合は歯周外科を行います。
    術後、定期的に歯科衛生士が行う専門的な歯のクリーニング、PMTCは必須です。中程度まで進行すると再発防止が重要になります。
  • 重度歯肉炎

    【症状】
    定期的に歯ぐきが腫れて、痛みもひどくなる状態です。
    【治療】
    ここまで進めば完治させるのはたいへん困難です。歯を保存できる状態であれば歯周外科手術、再生療法を試みます。しかし残念ながら抜歯となる場合もあります。
    ここまで進行する前に、ぜひ定期検診を受けてください。